2015フランス・イタリア巡礼記

2015年5月26日(火)−6月5日(金)



〜巡礼によせて〜

「フランスとイタリアの巡礼旅行があるのですが、御一緒しませんか」
「はい、参加させてください」
観光旅行と間違えているのかとおもうほどの即決で未信者の夫は神父様に返事をしました。この時より私達の巡礼は始まりました。神父様の自分が行きたくて行かれるものでは
ありません。マリア様が呼んでくださらなければ実現しませんの言葉を思いながら準備は祈りから始まりました。それから九か月後私達は最初の巡礼地ルルドに着きました。夫は奇跡の洞窟の前で捧げられた野外ミサの厳かな祈りにここでは皆が祈っていると甚く感動したようです。ろうそく行列では毎日こんなに沢山の人がマリア様への賛美に集まる事に驚き、車椅子の人たちが喜々としてろうそく行列に参加し自分達のミッションを担っている姿に不思議な深い感動を覚えました。
行く先々での教会は建物それ自体が立派な芸術品であり御聖堂で行われるミサには私達は観光客ではなく巡礼者だという秘かな誇りをもって与かり格別な思いでした。

ヴァチカンここは人類の坩堝 世界中の人々が国を言葉を思いを超えて一つになれる処
神様の愛と平和はヴァチカンから
と強く思いました。初めての巡礼でしたので、戸惑いのうちに終わってしまいましたが、たくさんの人と触合い、優しさを頂き十日余の旅の絆は一抹の寂しさを伴い再会の約束をいたしました。人の出会いと感動が人生を豊かにしてくれるその思いを強く感じた旅となりました。

最近の夫はイエス様のことをキリストさんキリストさんと親しげに呼ばせて頂いております。いつか尊い名を尊厳をもって御呼びできます日の近からんことを願っております

 ( I.Kimura.)



教会の聖地巡礼も団体旅行も初めての経験でしたが、神の計らいで好天に恵まれ、たとえようもなく素晴らしい十日間でした。どの訪問地も宿泊施設も食事も移動手段も、ただただ完璧の一言です。ご準備のご苦労をお察しいたします。代表は個性豊かな羊の群れを手際よくまとめつつ、すみずみまで目をお配りでした。また、てきぱきと仕事をこなされた通訳・コーディネーターの福田浩子様には感謝の気持ちでいっぱいです。豊かな才能に恵まれた素晴らしい女性でした。彼女の天使の歌声はいまだ胸に響いています。ある街の裏通りで一軒のカフェを見つけたときは、しばし呆然となりました。若いころよく友だちと集まったステラ・マリスというお店にそっくりでした。時は過ぎ、世は移ります。すべては神の御心のままに。

(どてかぼちゃ)


フランス、イタリア巡礼の旅に参加して

この度のフランス・イタリア巡礼の旅に参加申し込みはしたものの、体調が思わしくなく、出発間際まで参加を迷っていました。出発前日、神様にすべてを委ねればいいのだと自分に言い聞かせて始まった旅でした。

飛行機の長旅はさすがに体力を消耗させ不安を駆り立てるものでしたが、迎えてくれた真っ青なルルドの空はその不安を吹きとばしてくれるものでした。快晴に恵まれ、広島地区関西地区の信仰を同じにする仲間との旅はややスケジュールがタイトではあったものの、非日常、そして楽しい祈りと黙想の旅そのものでした。長い歴史と人々の深い信仰の中で生まれ育まれたフランス、イタリアの教会群はどこもここも素晴らしく芸術作品であり、神様への信仰の具現化でもあり、その荘厳さに圧倒されました。この旅に参加させて下さった神様にただただ感謝の気持ちで一杯です。

そういった旅の中で、今も一番心に深く心に刻まれているのは、ルルドで過ごした二日間です。ルルド修道院のシスター達の愛情あふれる手料理はとても美味しく、そこで合流した日本各地から来たルルド巡礼団の方達、同行神父様達との会話も楽しめました。ルルド聖域巡礼のなかでも(早朝の寒さの中ではありましたが)マリア様がベルナデッタに御出現になったグロットでのミサ、ドキドキわくわくした沐浴(思っていた以上に冷たい水でした)、ベルナデッタ一家が生活した場所等どれも記憶に残るものですが、なかでも一番の圧巻はやっと日が沈みかける21時からのマリア、プロセッション(ろうそく行列)です。薄暮の中、手にろうそくを持ち、ロザリオの祈り、アヴェマリアの歌をそれぞれの国の言葉で歌い唱えながら、行列を作ってゆっくりと進みます。各国のシスター、神父様たち、ボランティアの方々に支えられたとってもたくさんの車いすの方々も行列を作っています。いろんな肌の色の方達、お国柄を示すカラフルな服、世界中からきた老若男女、数えきれない沢山の人達がマリア様の御像を先頭に行列を作りマリア様を賛美し祈っていました。そこには優しさと賛美の心、一体感がありました。 私達のグループは幸い列の前方に入れていただきましたが、振り返ると、暗闇の中ろうそくの光を手に一体どこからやってきたのでしょうか、これでもかこれでもかというほどに人々の数は増えているのです。皆が同じ思いでただマリア様に祈っているのです。マイクから聞こえる先唱の祈りは世界各地の言葉で流れるのですがアヴェマリアの聖歌は私達が日頃歌っているものと同じです。素晴らしい一体感です。私達の信じる教えは世界共通のもの、普遍的なもの。喜びの心で見るろうそくの灯は心強く温かく心を包んでくれました。忘れられない光景です。
個人的にはルルドで私は数人の外国の巡礼者と話をする機会をもちました。沐浴の順番待ちの時隣に座っていた若いご婦人。彼女はパリ在住のフランス人で御主人と何度もルルドを訪れるとか。沐浴できてとても嬉しいと語り、スロバキアから来たという老夫婦は3度目のルルド訪問だとか、そして、立ち寄ったカフェで話しかけた神父様はアイルランドからの巡礼、依然コロンバン会の宣教でたくさん日本に行った神父様たちがいるとの話で盛り上がりました。いずれも同じ信仰をもつものとしてのとしてのフレンドリーな優しさを感じました。

アッシジやバチカン訪問を楽しみにしていた私には、ロレートの巡礼大聖堂は最も威厳と荘厳さに満ちていました。残念ながら私にはロレートに関してはほとんど知識がなかったのです。バジリカ内のマリア様のナザレの家を保存している「聖なる家」の前で祈り、大聖堂の天井まで続く壮大な聖画や彫刻に囲まれている時、圧倒され感動で目頭が熱くなったことを覚えています。

強行スケジュールだったこともあり疲れと時差ボケで帰国後大変でしたが、この旅に参加させてもらえたことに心から感謝しています。神様からいただいたこのお恵みを心に深く刻んで新たに日々を過ごしていこうと思います。

最後になりましたがルルドでの教会コンサートで感動的なアヴェマリアを聞かせてくださり、なお添乗もしてくださった素敵な福田さん、同行してくださった両神父様、そしてこの旅を企画してくださったコミュニティの皆様に心よりお礼を申し上げます。有難うございました。

カタリナ


 


 ヨーロッパ・カトリック聖地巡礼センター