〜サンチャゴ巡礼の旅に参加して〜
このたび、母と妹と一緒に「サンチャゴ巡礼の旅」に参加させて頂きました。
実は、巡礼の旅に行こう!と決め、ある旅行会社の積立制度にて積立をし、満期になった矢先に、妹が発病。これまで、行くチャンスに恵まれませんでした。あれからちょうど20年になります。いろいろな条件が全て揃い、夢が実現しました。母が所属する松阪カトリック教会の「奥村神父様と行く、サンチャゴ巡礼の旅」のお話は、たまたま、年末に東京から松阪に帰省した際、一回だけ預かったごミサの際に伺いました。これは、偶然ではなく、必然だったのだと思っています。神様が私たちに下さったお恵みであると感謝しております。
参加前には、10日もの長い間、杖が必要な母(今年80歳)と、まだ、薬を服用中の妹が、最後まで元気に参加ができるのかという不安が正直なところありましたが、きっと、マリア様がお守り下さるから大丈夫!と自分に言い聞かせ、関西空港に向かいました。参加される、ほとんどの方と初対面だったわけですが、初めてお会いしたとは思えないほど、皆様は親切にして下さり、また、ご一緒して下さった平井様の本当に心温まるご配慮等々により、当初抱いていた不安は一気に払拭されました。「きっと素敵な巡礼になる!」と確信し、巡礼の旅がスタートしました。
やはり、一般の旅行会社のツアーとは異なり、ただの観光ではない、とても霊的なツアーで、母も妹も、出発の時よりも段々と幸せそうに、また、元気になっていき、参加させて頂いて、本当に良かった!!と心から思いました。
ルルド巡礼の際、生まれて初めて車椅子を利用することになった母は、初めは、「何だか、恥ずかしいし、モラレス神父様に押して頂くのが申し訳ない」と言って、かなり躊躇しておりましたが、「親切な気持ちを素直に受け取ることも必要な事だね。いつも誰かのために、何かしたい、と思ってきたけれど、してもらう立場になって、初めてそのありがたさに気が付いた。」と、感謝の気持ちを終始述べておりました。
ルルドでの沐浴の際にも、車椅子から降りて、並ぼうとしたところ、係りの方がそのままで良いと言って下さり(言葉はわかりませんでしたが)、何もかも、全てお任せすることにしたそうです。
母は、以前、肺がんの手術を行ない、その傷がずっと痛むため、通院している病院から痛み止めを処方して頂き、続けて服用してきたのですが、この沐浴の後、その傷みがすっかり無くなり、痛み止めを一度も服用していない、と、先日実家に電話をした際、弾んだ声で話してくれました。私もそれを母から聞き、信じ、とても嬉しく思っています。
2日目、他の巡礼団の皆様と合流し、ルルド小教区教会で一緒にごミサに預かる事ができた際には、「心を一つにする」ってなんと素敵なことなのだろう!と改めて実感しましたし、「聖母マリアに捧げるコンサート」も、とても感動しました。
翌日のグロット(ルルドの洞窟)でのごミサは、「夢」を見ているかのようでした。今も、あれは夢だったのではないか、と思ったりする程です。このグロットで、毎日毎日、どこかの国の人たちが1日もお休みすることなく、絶えず、ごミサを捧げておられるのだと思うと、とても感慨深いです。
また、残念ながら、車椅子の母は参加できませんでしたが、奥村神父様と共に、少し厳しい坂道を登りながらの十字架の道行に参加できた事もとても印象的でした。
サンチャゴ・デ・コンポステーラ大聖堂では、これまで体験したことの無い、荘厳なごミサに預かることができました。言葉が違っても、生まれた国が違っても、神様に向かう心は同じなのだ!と、改めて実感しました。
ファチマのマリア様ご出現のお話は、小さい頃から母から物語のように聞いてきました。そのファチマへ、まさか自分が実際に来ることができるなんて、本当に夢みたいだと思いながら、全て目に焼き付けたい!という思いで巡りました。ルルドの洞窟でのごミサの時もそうでしたが、本当に、ここに、マリア様がご出現されたのだ!と思うと、涙が出そうになる位感動しました。そして今回、この巡礼の旅に参加できて、良かった!という気持ちが強くなりました。そして、もっともっと、マリア様にお祈りをお捧げしたい!と思うようになりました。これが、ある意味、私に起きた「奇跡」であると言えます。
長いようで短かった10日間の巡礼の旅が最後を迎え、関西空港へ降り立った時、私の目の前に移った日本の風景は、旅経つ前とは異なる景色に見えました。この10日間の間、静かに見守って下さった奥村神父様に、「松阪まで、母と妹を宜しくお願いします!」と2人を託し、1人、新大阪から東京へ戻り、その足で職場に向かいました。
巡礼の旅から帰国して早2週間以上経過致しましたが、まだまだ、気持ちはルルド・ファチマを旅しています。また、機会がありましたら、母、妹と共に、ぜひ、巡礼の旅に参加させて頂きたいと思っています。
最後になりましたが、今回のこの巡礼の旅を企画して下さいました、コムユニティワールドの皆様方、特に同行して下さった平井様に感謝をしますと共に、今後の益々のご活躍をお祈りしております。そして、巡礼の際、車椅子を押し続けて下さったモラレス神父様・私たちの為にいつもお祈り下さり、見守って下さった奥村神父様、本当にありがとうございました。
Kumiko.M
ー ヨーロッパ・カトリック聖地巡礼センターー
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