シスター大石からのモンセラート近況報告!
マルセリーノ神父様

松村 和人様  

こちらモンセラートでは、ここのところ少し秋を思わせるようなさわやかな日が続いております。 大阪ではまだまだ残

暑きびしいのではないかとお察ししていますが、お元気でお過ごしでいらっしゃいますか。この度モンセラート修道院

の災害に関して、いろいろとご尽力くださいまして、心より御礼申し上げます。 神父様と松村様のインターネットのペ

ージを通して、またカトリック新聞の誌上を通して、日本の多くの方々が「モンセラート修道院」の存在を知り、スペイ

ンの人々と日本の人々の心の交流を深めていければ、と望んでおります。先日、シスターミリアムからE-mailで現在

のモンセラート修道院の復興状況を知らせてほしい....とのことでしたので、私が聞き知っていることを簡単にご報告さ

せていただきます。 6月10日の嵐のような日からすでに三ヶ月が過ぎましたが、修道院であり、聖地でもあるという

規模の大きさから、復興のための作業は考えられないほど多義にわたっているようです。そして、当然それに必要な

費用も莫大なようですが、その見込みは今のところまだたっていないとのことでした。毎日のミサでは、災害の翌日

でも捧げられており、今は修道院への道路も通れるようになりましたので、私が暮らしているサン・ベネット女子修道

院からも、土曜、日曜や祝日には、車が列をなして登っていくのが見えます。モンセラート修道院・聖地は、特にカタ

ルニアの人々の信仰・文化の中心であり、ことあるごとに登ってきます。黒い聖母像が祭られている大聖堂は水が

少し浸入したものの、破壊をまぬがれました。そして、それぞれの家に帰っていた少年聖歌隊(エスコラニアス)たち

も、修道院に戻って来て、破壊を免れたホテル建物に移って現在暮らしております。ですから、彼らの美しい聖歌を

再び聴くことができるようになりました。楽器や楽譜なども大方泥水に流されたり壊されたりしたようです。美術館は

地下の建物ですので、今後の水害を考慮して、別の所に移す計画だそうですが、大工事が予想されるので、何時の

ことになるのか分かりません。しかし、現在美術館はそのままで再開されています。天上まで土石流が侵入したお

店の建物は、土台の損傷のため使えなくなり、現在別の場所に仮説の建物(テントのようなもの)で営業が再開され

ました。レストランとホテルも再開されています。サン・ジュアンという古い礼拝堂へのケーブルは復旧されましたが

、他のケーブルは、今のところいつ復旧できるか分かってておりません。しかし、サンタ・コバへの徒歩での道は修復

されました。他の道はまだ大分かかりそうです。全てが修復されるまでには、おそらく何年間のかかると思われます

。長い歴史を通して存在してきた修道院・聖地ですので、長い年月をかけてもよりよいものへと復興されていくことを

、私は願っております。 一ヶ月ほど前、モンセラート修道院の院長様は「災害の後、非常に多くの方々の善意に接し

て、とても喜び深く感謝しておられます。」とおっしゃっていました。こうした「災い」からも、多くの人々の善意、祈り、

愛、一致が生まれ、育まれていくなら結果として「善いもの」を生み出す好機となり得るのではないでしょうか。私も、

この災害をきっかけに多くの皆様に善意を感じさせていただいていることを幸いと思っています。暖かい援助とお祈り

を本当にありがとうございます。心より感謝しております。主が皆様の善意に豊かに報いてくださいますようお祈りし

ております。これからも、どうぞモンセラート修道院のためにお祈りください。

感謝のうちに                                         大石順子  2000年9月14日